恐怖を味わった

 今日、仕事あがったあとジョギングしてたんですよ。 
 いつも近くの公園へ行って走ってるんですけどね。
 夜の公園なんで、あたりは真っ暗で静か。あまり人もいない。
 走っていると、どうも自分以外の足音が聞こえる。
 ぱった、ぱった、と。
 そんなに速く走ってる訳じゃないんで、
 「誰かが俺に追いついたんだなー。道あけなきゃ」
 ぐらいに思ってたんです。
 ところが、ちっとも追い越す気配がない。
 ただ足音が俺と一緒にぱった、ぱったとついてくるんです。
 俺、怖くなっちゃって、ペースアップですよ。けど足跡は変わらずついてきます。
 意を決して後ろを振り返ったんですけど、誰もいない。
 血の気が引きましたよ。
 マジで叫びたかった。
 結局、立ち止まって分かったんですけど、ポッケの中のiPodがはねて、膝に当たって「ぱったぱった」言ってただけっていう。